「屋根リフォームのカバー工法と葺き替えの違いってなに?結局どっちがいいの?」
屋根リフォームについて迷っている方へ。
本記事を書いているのは、茨城県取手市を拠点としている屋根修理業者「SK ROOF」です。
大規模な屋根修理はそれなりの費用がかかるもの。工法は慎重に選びたいですよね。
カバー工法と葺き替えはどちらも屋根を新しくする方法ですが、工事内容、費用、向いているケースは大きく異なります。
この記事では、屋根のカバー工法と葺き替えの違いをはじめ、メリット・デメリット、費用相場、屋根材ごとの相性、どちらが向いているかの判断ポイントまでわかりやすく解説します。
双方の特徴を知っておけば、現在の住まいに合った工法を選択でき、将来的に後悔することもなくなるはずです。
自分の家はカバー工法でいいのか?それとも葺き替えが必要なのか?知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
「うちはどっちが合っているんだろう?」と迷ったら、まずは現地確認で状態を把握しておくと安心です。
屋根のカバー工法や葺き替えを検討するタイミング

屋根のカバー工法や葺き替えといった大規模な屋根リフォームは、劣化状況や築年数を目安に検討するのが基本です。
以下のようなタイミングは、塗装や軽微な補修ではなく、本格的な屋根リフォームを検討するサインといえるでしょう。
- 屋根材が寿命を迎えている
- 雨漏りが発生している
- 築20~30年以上経過している
- 塗装では対応できない劣化が見られる
- その他
屋根材が寿命を迎えている
屋根材にはそれぞれ寿命の目安があります。
たとえばスレート屋根の場合、一般的な耐用年数はおおよそ15~25年程度。
この年数に近づくと、防水性能や強度が徐々に低下していきます。
特に次のような症状が広範囲に見られる場合は注意が必要です。
- ひび割れ
- 反り
- ズレ
- 欠け
このような劣化が進んでいる場合、塗装では根本的な改善が難しく、カバー工法や葺き替えが現実的な選択肢になるでしょう。
雨漏りが発生している
雨漏りが発生している場合は、屋根材だけでなく防水紙や下地まで傷んでいる可能性が高いです。
そのため、補修や応急処置で様子見よりも、根本的な屋根リフォームを優先して検討すべきサインといえます。
なお、雨漏りは状況によって対応が変わります。
・局所的な雨漏り
→カバー工法で対応できる場合もある
・漏水範囲が広い・長年続いている
→葺き替えで対応するケースが多い
築20〜30年以上経過している
築20〜30年は屋根リフォームを検討する一つの目安とされています。
この頃になると、屋根材だけでなく、防水紙(ルーフィング)や野地板といった内部の部材も劣化している可能性が高いからです。
各工法が一般的に検討されやすい時期は以下のとおり。
・築15〜25年前後
→カバー工法を検討しやすい時期
・築30年以上
→地も含めてやり直せる葺き替えが選ばれやすい
塗装では対応できない劣化が見られる
屋根の劣化が進んでいる場合、塗装では対応できないこともあります。
たとえば次のような状態です。
- 広範囲のひび割れ・欠け・反り
- スレートの層間剥離
- 金属屋根の穴あき
- 激しいサビ
このような場合は、塗装をしても防水性や強度を十分に回復できない可能性があります。
部分補修と塗装で対応できる範囲を超えている場合は、カバー工法や葺き替えを実施するタイミングと考えた方がよいでしょう。
業者の点検で「塗装では長く持たない」と言われた場合は、短期的な補修を繰り返すよりも屋根リフォームを計画した方が、長期的なコストを抑えやすいケースも多くあります。
その他のタイミング
【外壁塗装と同じタイミング】
外壁塗装では足場を設置する必要があります。
そのため、屋根の寿命が近い場合は、外壁と屋根を同時に工事することで足場代を1回にまとめることができます。
【大型リフォームや住まいの節目】
- 今後20年以上住む予定がある
- 子世帯に家を引き継ぐ予定
このように長期利用がはっきりしているなら、耐久性の高い屋根材への葺き替えを検討しやすい時期といえます。
【台風・地震・大雪のあと】
強風、地震、大雪のあとには、屋根に目に見えないダメージが出ている場合もあります。
築年数が経っている住宅では、こうした自然災害のあとに一度点検を受け、必要に応じてリフォームを検討するという流れを意識しておくと安心です。
屋根のカバー工法と葺き替えの違い

屋根のカバー工法と葺き替えの一番大きな違いは、既存の屋根を撤去するか、それとも残したまま施工するか、という点です。
屋根の状態、築年数、今後どのくらい住む予定なのか、といった条件によって適した工法は変わります。
屋根カバー工法とは
屋根カバー工法とは、既存の屋根材を撤去せず、その上に新しい屋根材を重ねて施工する工事です。
一般的には、既存のスレート屋根などの上に防水シート(ルーフィング)を敷き、その上からガルバリウム鋼板などの軽量な金属屋根を施工します。
屋根の下地がまだ健全な状態であれば、選ばれることが多い工法です。
屋根葺き替えとは
屋根葺き替えとは、既存の屋根材をすべて撤去し、新しい屋根材に取り替える工事です。
まず既存屋根を撤去したら、その後に防水シート(ルーフィング)や野地板(屋根の下地)などを必要に応じて補修・交換し、新しい屋根材を施工します。
屋根の劣化が進んでいる住宅や築年数が経過している住宅では、長期的な耐久性を考えて葺き替えが選ばれるケースも多くあります。
屋根のカバー工法と葺き替えのメリット・デメリット

屋根リフォームを検討する際に気になるのが、「どちらの工法が自分の家に合っているのか」という点ではないでしょうか。
ここでは、それぞれのメリットとデメリットを整理して見ていきましょう。
双方の特徴をより詳しく知り、今のご自分の状況と見比べてみてください。
【屋根のカバー工法と葺き替えメリット・デメリット早見表】
| 工法 | メリット | デメリット |
| カバー工法 | ・費用を抑えやすい
・工期が短い(3〜7日前後) ・生活や近隣への負担が小さい ・断熱性・遮音性・防水性の向上が期待 ・外装のみ効率よくリニューアルできる |
・建物条件によっては施工できない
・下地の腐食や雨漏りの根本解決にならないことも ・施工できる屋根材や屋根形状が限られる ・将来の葺き替え時に二重分の撤去が必要 |
| 葺き替え | ・雨漏りリスクを根本から改善できる
・下地や防水シートまで確認・補修できる ・軽量屋根へ変更すれば耐震性・耐風性の向上が期待 ・屋根材の選択肢が広い ・メンテナンス周期が長くなる |
・初期費用が高くなりやすい
・工期が長くなる ・生活への影響がやや大きい ・アスベスト含有屋根材は撤去処分費が高くなる |
カバー工法のメリット・デメリット
まずはカバー工法のメリットから見ていきます。
カバー工法のメリット
【費用を抑えやすい】
カバー工法は既存屋根を撤去しないため、解体や廃材処分の費用がほとんど発生しません。
そのため、一般的に葺き替えよりも金額が抑えやすく、費用面でメリットを感じやすい工法です。
【工期が短く生活や近隣への負担が少ない】
解体工程が少ないため、工事期間は3〜7日前後で完了するケースも多くあります。
騒音やホコリ、廃材の量も少なくなるので、生活への影響や近隣への負担を抑えやすい点も特徴です。
【断熱性・遮音性・防水性の向上が期待できる】
屋根が二重構造になるため、僅かながら断熱性や遮音性の向上が期待できます。
また、新しい防水シートと屋根材を施工することで、雨漏りリスクの軽減にもつながります。
【室内への影響が少なく外装だけ効率よくリニューアルできる】
基本的には屋根の外側で作業が完結するため、室内リフォームと切り離して工事を進めやすい点もメリットです。
外装のみを効率よくリフレッシュしたい場合に選ばれやすい工法といえるでしょう。
一方で、カバー工法には次のようなデメリットもあります。
カバー工法のデメリット
【屋根が重くなるため条件によっては適さない】
既存屋根の上に新しい屋根材を重ねるため、屋根の重量は増えます。
そのため、もともと重い屋根や構造条件によっては、施工できない場合もあります。
【下地の腐食や雨漏りには根本対応にならない】
屋根下地が大きく傷んでいる場合、その上から屋根材を重ねても問題が残る可能性があります。
劣化が進んでいる場合は、そもそもカバー工法が選べないケースもあるため注意が必要です。
※既存屋根のうえから野地やルーフィング(防水紙)の張り増しはできるので、改善は可能。劣化が激しく雨漏りも広範囲でなければ、カバー工法は十分選択肢となります。
【施工できる屋根材や条件が限られる】
カバー工法は、主にスレート屋根や金属屋根などフラットな屋根が対象です。
瓦屋根は基本的に施工できないなど、屋根材や屋根形状によっては選択できないこともあります。
【将来の葺き替え工事が複雑になる可能性】
屋根が二重構造になるため、将来的に葺き替えを行う際には二層分の撤去が必要になります。
そのため、次回工事の手間や費用が増える可能性も考慮しておく必要があります。
※次回に大規模工事を実施するかどうかは、今後どれくらい住むか、災害による大きな被害があるかなどにもよります。
葺き替えのメリット・デメリット
続いて、葺き替え工事のメリットを見ていきましょう。
葺き替えのメリット
【雨漏りリスクを根本から下げられる】
葺き替えは既存屋根をすべて撤去するため、防水シートや野地板など内部の状態を直接確認できます。
そのため、腐食や雨漏りの原因も補修でき、屋根全体をリセットできる点が大きなメリットです。
【耐震性や耐風性など構造面の安心感が高い】
瓦などの重い屋根からガルバリウム鋼板などの軽量屋根へ変更すると、建物にかかる荷重を減らすことができます。
その結果、耐震性や強風への耐久性を高めやすいというメリットがあります。
【メンテナンス周期が長くなる】
屋根全体を新しくするため、次の大規模メンテナンスまでの期間が長くなる傾向があります。
「一度しっかり直して長く安心したい」という人には向いている工法です。
【屋根材の選択肢が広い】
葺き替えなら、基本的にどの屋根材にも変更できます。
そのため、デザイン変更や断熱性能の向上など、将来の住まい方に合わせた屋根リフォームが可能です。
一方で、葺き替えには次のようなデメリットもあります。
葺き替えのデメリット
【初期費用が高く負担を感じやすい】
既存屋根の解体や廃材処分が必要になるため、カバー工法と比べると総費用は高くなる傾向があります。
長期的に見るとコストパフォーマンスは良いですが、まとまった費用が必要になるため、資金計画を考えながら検討することが大切です。
【工期が長く負担もやや大きい】
解体作業が入る分、工期はカバー工法より長くなることが一般的です。
また、騒音やホコリ、廃材搬出といった負担もカバー工法より大きくなる可能性があります。
【アスベスト含有屋根材は処分費が高くなる】
古いスレート屋根の中にはアスベストを含むものがあります。
この場合は産業廃棄物としての処分費が高くなるため、費用に影響することがあります。
詳しくは以下の記事もご覧ください。

屋根カバー工法と葺き替えの費用相場

屋根リフォームを検討する際に、もっとも気になるのが費用ですよね。
前もってお伝えしますと、カバー工法と葺き替えでは工事内容が大きく異なるため、費用相場にも差があります。
また、屋根工事はいくつかの要因によって費用が変動します。
つまり、一概に「この金額!」と提示するのは難しいのが実情です。
とはいえ、ある程度の目安はあるので、次の項目から順番に見ていきましょう!
カバー工法・葺き替えの費用比較
| 工事内容 | 費用目安(税込) | 工期目安 |
| カバー工法 | 80万〜140万円前後 | 5〜7日 |
| 葺き替え(下地補修含む全体) | 80万〜250万円前後 | 7〜10日 |
そのため、費用相場はあくまで目安として考えておくことが大切です。
費用が変わる主な要因
費用が変動する代表的な理由は以下のとおりです。
- 屋根面積が大きい、形状が特徴的
- 屋根材の種類、グレードが高い
- 屋根の劣化が広範囲
- 足場を設置する敷地の条件
- アスベストが含まれた屋根材の撤去が必要
これらは以下の記事見出しをクリックいただければすぐに詳細が見られるので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
葺き替え全体の費用感についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にどうぞ!

屋根材によって選べる工法は変わる

屋根リフォームでは、現在使われている屋根材によって選べる工法が変わることがあります。
同じ住宅でも、以下のような屋根材の種類によって、塗装・カバー工法・葺き替えの適性が異なるためです。
- アスファルトシングル
- スレート屋根
- 瓦屋根
- 金属屋根
ここでは、屋根材ごとに相性の良い工法を見ていきましょう。
【屋根材ごとの相性早見表】
| 屋根材 | 塗装 | カバー工法 | 葺き替え |
| アスファルトシングル | △ | ◎ | ○ |
| スレート | ○ | ◎ | ○ |
| 瓦 | × | × | ◎ |
| 金属屋根 | ○ | ○ | ○ |
アスファルトシングルの場合
| 工法 | 内容 | 向いている状態・条件 | 注意点 |
| 塗装 | 劣化が軽度であれば、屋根表面を塗装して防水性を補える。 | 色あせなど軽い劣化の場合 | アスファルトシングルは素材の性質上、塗装効果が限定的なことが多い。浮き・破れ・フカフカした状態がある場合は推奨されない。 |
| カバー工法 | ガルバリウム鋼板などの金属屋根を施工するのが一般的。条件が合えばシングル→シングルの施工も可能。 | 下地が健全 / 雨漏りが深刻ではない / 屋根形状が複雑すぎない | 劣化が激しい場合や下地が傷んでいる場合は施工できないことがある。 |
| 葺き替え | 既存屋根を撤去し、新しい屋根材へ交換する。 | 劣化が深刻な場合 / 下地補修が必要な場合 | 撤去費・処分費が発生するため費用は高くなりやすい。 |
アスファルトシングルは軽量で柔軟性がある屋根材のため、カバー材としても使われることがある屋根材です。 ただし劣化が深刻な場合は、葺き替えを勧められるケースもあります。
スレート屋根の場合
| 工法 | 内容 | 向いている状態・条件 | 注意点 |
| 塗装 | 劣化が軽度であれば、屋根塗装によるメンテナンスで進行を抑えられる。 | 色あせ・軽微なコケ・塗膜劣化など軽度の劣化 | ひび割れ・反り・劣化が進んでいる場合は塗装では対応できない。 |
| カバー工法 | ガルバリウム鋼板などの金属屋根を施工するのが一般的。アスファルトシングルでカバーする場合もある。相性◎。 | 下地が健全 / 雨漏りが深刻ではない / 屋根形状が複雑すぎない | 劣化が激しい場合や下地が傷んでいる場合は施工できないことがある。屋根重量が増える点にも注意。 |
| 葺き替え | 既存屋根を撤去し、新しい屋根材へ交換する。 | 劣化が深刻な場合 / 下地補修が必要な場合 | 撤去費・処分費が発生するため費用は高くなりやすい。 |
スレート屋根はカバー工法と葺き替えの両方を選びやすい屋根材です。特にアスベストを含む古いスレートの場合、撤去せずカバー工法を選ぶことで処分費用を抑えられます。
劣化が激しい場合はカバー工法ではなく葺き替えが必要になります。
瓦屋根の場合
| 工法 | 内容 | 向いている状態・条件 | 注意点 |
| 塗装 | 耐久性が高く防水性も確保されているため、基本的に塗装は必要ない。 | 該当なし | 塗装を行うケースは少なく、一般的なメンテナンス方法ではない。 |
| カバー工法 | 基本的に施工不可 | 該当なし | 瓦は凹凸が大きく平らではないため、カバー工法には不向き。屋根の重量増加や雨水処理の構造上の問題もあり、通常は採用されない。 |
| 葺き替え | 既存屋根を撤去し、新しい屋根材へ交換する。瓦屋根のリフォームでは最も一般的。 | 劣化が深刻 /下地補修が必要/ 耐震対策 / 屋根材変更をしたい場合 | 撤去費や処分費がかかるため費用は高くなりやすい。 |
瓦屋根のリフォームは、瓦をすべて撤去し野地板を整備したうえで新しい屋根材を施工するケースが多いため、基本的に「葺き替え工事」として行われます。
金属屋根の場合
| 工法 | 内容 | 向いている状態・条件 | 注意点 |
| 塗装 | 劣化が軽度であれば、防水性を回復し、寿命を延ばすことができる。 | 色あせ・軽度のサビなど初期劣化の段階 | サビが進行している場合や穴あき・腐食がある場合は塗装では対応できない。 |
| カバー工法 | 実務では「金属屋根 → 金属屋根」でリフォームされることが多い。 | 下地が健全 /雨漏りが深刻ではない/屋根形状が複雑すぎない | 劣化が激しい場合や下地が傷んでいる場合は施工できないことがある。 |
| 葺き替え | 既存屋根を撤去し、新しい屋根材へ交換する。 | 劣化が深刻な場合 / 下地補修が必要な場合 | 撤去費・処分費が発生するため費用は高くなりやすい。 |
金属屋根には、横葺き・縦葺き・波板・折板など複数の種類があり、屋根形状によってカバー工法の適性が変わります。
古いトタン屋根や波型屋根では葺き替えが推奨されることがあり、また、断熱材一体型の屋根などはカバー工法が難しいケースもあります。
屋根のカバー工法と葺き替えどっちが向いてる?

どちらが適しているかは、屋根の状態や築年数によって変わります。
ここでは、それぞれの工法が向いている主なケースを見ていきましょう。
カバー工法が向いているケース
【屋根の下地がまだしっかりしている】
屋根の下地である野地板や防水シートに大きな腐食や破れがなく、屋根材だけが劣化している状態であれば、基本カバー工法で対応できます。
たとえば、屋根材のひび割れ、欠け、色あせといった表面の劣化が中心の場合です。
下地が健全であれば撤去して交換する必要がないため、まだ使える部分を活かしながらリフォームできる合理的な方法といえるでしょう。
【費用を抑えたい】
カバー工法は既存屋根を撤去しないため、同じ規模の工事で比較すると、葺き替えよりも安価に工事を実施できる傾向にあります。
工程がシンプルになることで、作業日数や足場の使用期間も短くなるため、トータルコストを抑えたい場合に選ばれることが多い工法です。
【工期を短くしたい】
カバー工法は、一般的な戸建て住宅であれば5〜7日前後で完了するケースが多くあります。
葺き替えに比べると工期が短いため、騒音、粉じん、工事関係者の出入りといった影響や負担も多少は軽減されるでしょう。
住みながら工事を行う場合でも、心理的な負担を抑えやすいのがメリットです。
【スレート屋根のリフォーム】
スレート屋根はカバー工法との相性が良く、スレート → 軽量金属屋根へのカバーは代表的なリフォーム方法の一つです。
特に2004年以前のスレートにはアスベストを含むものが多くあり、葺き替えの場合は撤去・処分費が高くなることがあります。
一方、カバー工法なら既存屋根を撤去しないため、処分費を抑えながらリフォームできるのも強味の一つです。
【その他カバー工法が向いているケース】
次のようなケースでも、カバー工法が選ばれることがあります。
- 今後10〜20年程度住む予定でコストパフォーマンスを重視したい
- 断熱性、遮音性、防水性を今より高めたい
- 構造から大きく手を入れるほどではない
上記のような場合も、カバー工法は候補となるでしょう。
※断熱性、遮音性、防水性に関しては、劇的な変化はなく、若干の効果が期待できる程度に思っておくのが無難といえます。
葺き替えが向いているケース
【雨漏りしている】
雨漏りが発生している場合、屋根材だけでなく防水シートや下地まで劣化している可能性があります。
特に次のような状況では、葺き替えが検討されることが多くなります。
- 雨漏りが長期間続いている
- 天井に広い範囲のシミがある
- 何度補修しても再発する
築20〜30年を過ぎた屋根では、屋根材と下地の両方が劣化している可能性が高く、部分補修より葺き替えで根本から直した方が再発リスクを抑えやすいです。
【下地が劣化している】
野地板の腐食やたわみ、防水シートの破れなどがある場合、表面だけ新しい屋根材を施工しても本来の性能を発揮できません。
この状態でカバー工法を行うと、雨漏り、断熱性能の低下、木材の腐朽などのリスクが残る可能性があります。
葺き替え工事なら、既存屋根を撤去して一新するため、あらゆるリスクの回避と今後の安心感につながります。
【瓦屋根のリフォーム】
瓦屋根はもともと重量があるうえ、凹凸も大きく、カバー工法は不向きとされています。
そのため、瓦屋根のリフォームでは葺き替えが基本となります。
- 瓦 → 新しい瓦
- 瓦 → 金属屋根やスレート屋根
また、瓦から軽量屋根に変更することで、耐震性の向上も期待できます。
【築30年以上】
屋根材の種類にもよりますが、築20〜30年は屋根リフォームの目安とされています。
特に築30年以上になると、屋根全体の部材が耐用年数を超えている可能性が高いです。
この時期にカバー工法で延命しても、数年後に下地由来のトラブルが出る可能性があるため、葺き替えを検討する価値が高くなるタイミングといえます。
【その他葺き替えが向いているケース】
次のようなケースでも、葺き替えが選ばれることが多くあります。
- 今後20年以上住む予定で構造からリセットしておきたい
- 瓦などの重い屋根を軽量屋根へ変更して耐震性を高めたい
- 劣化が屋根全体に広がっている
このような場合は、屋根全体を新しくできる葺き替えの方が長期的に安心できるリフォームといえるでしょう。
現在の屋根状態を確認したうえで、カバー工法・葺き替えのどちらが現実的かをわかりやすくご案内しています。
屋根カバー工法と葺き替えでよくある疑問
ここでは、実際によく聞かれる質問とその考え方をご紹介します。
カバー工法は耐震性に問題ない?
通常の住宅であればカバー工法によって耐震問題が起こることはほぼありません。
カバー工法では既存屋根の上に新しい屋根材を施工するため、屋根の重量は多少増えます。
ただし現在主流の屋根材であるガルバリウム鋼板などの金属屋根は非常に軽量で、追加される重量は許容範囲とされることがほとんど。
そのため、もともと重い瓦屋根ではなく、建物構造にも問題がなければ、耐震性に大きく影響することは少ないです。
雨漏りしている屋根でもカバー工法はできる?
雨漏りしている屋根でも、状況によってはカバー工法で対応できるケースがあります。
たとえば、雨漏りが局所的、下地の腐食が大きくない、といった場合です。
ただし、次のようなケースでは葺き替えが推奨されることが多くなります。
- 雨漏りが広範囲に発生
- 雨漏りが長期間続いている
- 下地の腐食が疑われる
カバー工法は既存屋根を残す工事のため、下地の状態が悪い場合は根本的な解決にならない可能性があります。
そのため、最終的な判断は屋根の状態を点検したうえで決めることが重要です。
カバー工法は何回までできる?
一般的にカバー工法は1回までと考えられています。
カバー工法を行うと屋根は二重構造になるため、さらに重ねて施工すると重量が増えすぎたり、施工品質に影響する可能性があります。
そのため、1回目はカバー工法、必要であれば次回は葺き替え、という流れになることが一般的です。
工事期間はどのくらい?
工事期間は屋根の大きさや工事内容によって変わりますが、一般的な戸建て住宅では次のような目安になります。
カバー工法:5~7日前後
葺き替え:7~10日前後
カバー工法は既存屋根の撤去作業がないため、葺き替えより工期が短くなることが多いです。
ただし、屋根の形状が複雑な場合や下地補修が必要な場合は、工期が長くなることもあります。
迷ったら屋根点検で判断するのが確実

葺き替えにするべきか、カバー工法にするべきか。
この判断で迷う人は多いですが、最も確実なのは一度プロに屋根点検をしてもらうことです。
というのも、屋根リフォームは専門的に確認しないと分からない要素が多いためです。
下地の状態は外からではほぼ分からない
屋根の表面を見ただけでは、下地の状態を判断することは難しいです。
特に、屋根の内部にある防水紙(ルーフィング)や野地板は外側から見えないため、劣化していても気づきにくい部分です。
屋根材・形状・勾配で「できる工法」が変わる
前述していますが、屋根リフォームでは、屋根の条件によって選べる工法が変わります。
まず、屋根材や築年数によって相性の良い工法が異なること。
さらに、屋根の勾配、屋根形状の複雑さ、谷や取り合いの多さなどによっても雨水の流れ方や施工の可否が変わります。
プロの目で実際の屋根を確認したうえで判断してもらうことが重要です。
構造(荷重・耐震)や法規制も絡む
カバー工法では屋根が二重構造になるため、屋根の重量が増えます。
通常の住宅では大きな問題になるケースは少ないですが、すでに重い瓦屋根などの場合は、耐震性の観点から葺き替えが推奨されることもあります。
また、住宅の立地によっては、防火地域・準防火地域といった法規制があり、使用できる屋根材が決まっている場合もあります。
そのため、建物条件や地域のルールも含めて、専門家に確認してもらうことが大切です。
ライフプランまで含めて最適解が変わる
一見するとカバー工法の方が費用が安く見える場合でも、下地の寿命や築年数によっては再工事が必要になる可能性もあります。
その場合、結果的に葺き替えの方がトータルコストを抑えられることも。
費用だけでなくライフプランまで含めて判断するなら、業者の目があると安心です。
業者点検のメリット
屋根業者による現地調査では、屋根表面、屋根裏、雨樋、外壁との取り合いなどを総合的に確認します。
そのため、住宅ごとの状態に合わせた工法を提案することが可能です。
また、複数社から、カバー工法・葺き替えの両方の見積もりをもらうことで、費用や工期、保証やメンテナンスの内容など、比較して判断することができます。
この意味でも、最初から自分だけで決めようとするのではなく、信頼できそうな屋根業者に点検を依頼してから判断するのがおすすめです。
カバー工法と葺き替えは、費用だけで決めると後悔しやすい工事です。
今の屋根にどちらが合っているかを正しく知りましょう。
SK ROOFで、ご自宅の屋根の状態を確認してみませんか。
まとめ
屋根のカバー工法と葺き替えは、屋根の状態や築年数、今後どれくらい住む予定かによって適した工法が変わります。
費用を抑えたい、工期を短くしたい、下地の状態もまだ良さそう。このような場合は、カバー工法が選ばれやすいです。
一方で、雨漏りが起きている、下地の劣化が疑われる、築30年以上経過している。このような場合は、表面だけではなく内部まで確認・補修できる葺き替えのほうが安心です。
下地の状態や、屋根材・勾配・構造条件によって、適した工法は変わります。
しかし、屋根は見た目だけでは分からないことがたくさんあるのです。
だからこそ、まずは屋根修理業者による点検を受けて、今の状態に合った方法を確認することが大切です。
ご自宅の屋根にカバー工法と葺き替えのどちらが向いているのか気になる方は、まずはお気軽にご相談ください。

